部屋を増やして新鮮さをプラス!ライフスタイルに合わせた増築リフォームを成功させるポイントを解説!
家族構成やライフスタイルの変化によって、新築時の間取りが住みにくくなってきたという悩みを持つ人は少なくありません。「二世帯同居をしたい」「収納スペースがもっと欲しい」「趣味に没頭できる部屋が新しくあるといいのに」といった希望があると、今の間取りを変えずに部屋を増やすという選択肢も出てきます。
今回は、敷地の広さや既存部分の劣化状態によって方法が異なる増築リフォームについて、工事の方法や費用、進める上での注意点についてご紹介します。
部屋を増やすリフォームってどうやるの?
部屋を増やすリフォームの方法は主に2つあります。既存の住宅に連結する形で横に部屋を増やす方法と、高さを生かして上方に部屋を増やす方法です。それぞれ見ていきましょう。
・既存の住宅に連結する形で横に部屋を増やす
既存の住宅に対して敷地にまだ余裕がある場合、既存の住宅と連結する形で外に部屋を増やすという方法があります。庭の方向に小さく張り出させる形で部屋をつくる場合もあります。
敷地に対して建てられる住宅の床面積を示す建ぺい率や、延べ床面積を示す容積率を越えなければ、面積計算をした上で増築可能な広さの部屋を増やすことができます。用途地域の指定が度の種類であっても、6畳程度の広さであれば比較的簡単に増築できるでしょう。既存の住宅の掃き出し窓や勝手口などを増築部分との出入り箇所として、屋根も連結すれば、離れという扱いではなくなるため内部での行き来も可能となります。
・高さを生かして上方に部屋を増やす
敷地の関係で横に部屋を張り出させて増やすという方法が取れない場合や、既存の住宅が平屋の場合、住宅内部に空間があって有効利用したい場合などは、高さを生かして部屋を増やします。
平屋の屋根の上に増築する場合は、既存の住宅に増築部分の荷重がかかりますので、増築工事に加えて既存の住宅部分の補強工事が必要になります。容積率を超えないように注意して増築部分を計算することも大切です。水回りを増築部分に設置することは可能ですので、二世帯住宅にしたい場合におすすめです。
既存の住宅の一部を使って部屋を増やすリフォームの場合、屋根裏や吹き抜けを利用します。屋根裏を利用する際は、屋根からの熱や冷気をしっかりシャットアウトしないと過ごしにくい部屋になってしまいますから、しっかりと断熱工事をすることが大切です。湿気もたまりやすいため、換気扇も必要でしょう。
吹き抜けを利用する際は、床面をしっかり補強すること、出入口のスムーズな動線を確保すること、採光をしっかりとることなどに注意しながらプランします。今まであった吹き抜けがなくなりますから、部屋が増える代わりに下階の開放感は失われるということを頭にいれておくことが大切です。
部屋を増やすリフォームの工事期間と費用は?
部屋を増やすリフォームは、今空いている空間に新しく部屋をつくる工事なので、増やす工事に加えて既存住宅との連結部分の補強や補修が必要になることも多いです。ただし、既存部分が比較的いい状態であれば、フルリフォームするよりは安価に抑えられますし、空間を有効利用できるというメリットも大きいもの。あとは予算とのバランスを見て判断することが大切です。
・工事期間
部屋を増やす工事内容によって、工事期間は異なります。
既存の住宅につなげて横方向や屋根方向に部屋を増やす場合は、1室程度なら1ヶ月から1ヶ月半が目安です。屋根や外壁・サッシ・建具・電気・内装といった各工事に加え、横方向に増やす場合は足場を設けて基礎を打つ作業が必要です。
住宅内部に部屋を増やす場合は、木工事に加えて断熱・内装・電気工事が必要になります。どの場所にどんな広さで増やすかにもよりますが、2週間前後が相場でしょう。
もし住みながら工事を進めるのであれば、外部への出入りや日常生活に影響が出るので、実際の工事内容によってどれくらい工事期間が必要なのかを施工業者にしっかり確認しておきましょう。
・工事費用
工事費用に関しても、部屋を増やすリフォームの範囲や内容によって異なります。
平屋の屋根部分に増築する場合は、1室程度なら1階の補強工事を含めて300万円前後が相場です。2室以上を増築し、空調設備や水回り設備も設置するのであれば、1000~1200万円程度はかかると見ておきましょう。敷地を生かして横方向に1室程度増築する場合は、10畳程度までで250~300万円が相場です。
住宅内部に部屋を増やす場合は、小屋裏を利用する方法で100~150万円、吹き抜けを利用する方法で100万円前後が相場でしょう。ドアや内装材・照明器具などのランクによって上下しますので、予算を抑えたいならお金をかけるところとかけなくてもいいところとでメリハリをつけることが大切です。
部屋を増やすリフォームの注意点は?
既存の住宅に部屋を追加するリフォームは、いわば第二の新築住宅ともいえるほど、部屋を増やす部分は新築感覚での工事になります。費用は決して安くありませんから、「その部屋で何をするのか」という用途をしっかり決めておく必要があります。それ以外にも、次のような点に注意しておきましょう。
・確認申請の有無
「敷地に余裕があるからここに部屋を増やしたい」というのは、戸建ならではのリフォームです。ただし、床面積が増えることで確認申請が必要になることがあります。手間も費用も追加になりますから、その増築プランでOKかをよく検討することが大切です。確認申請が必要かどうかはさまざまな条件によるので、施工業者の担当者に打ち合わせ時点で確認しておきましょう。
・マンションで部屋を増やせるか
集合住宅であるマンションの場合、リフォームできるのは専有部分と呼ばれる範囲に限られています。たとえば玄関ドアや窓サッシ、バルコニー、構造壁といった部分は、自分が使っている場所であっても共用部分なので基本的にリフォーム工事はできません。もし部屋を増やすとしたら、「増やす」という感覚よりも「仕切って部屋数を増やす」という感覚でリフォームをすることになります。洋室を間仕切り壁や造作家具で仕切って2室にする工事ならできますが、1室の面積が狭くなったり、一方の部屋に収納スペースがなくなるといった問題が起きやすいため、プランをよく検討することが大切です。
・場合によってはフルリフォームの方がメリットが大きい
費用を抑えようと1室だけ部屋を増やすリフォームを検討するケースは多いのですが、前述したように新築と同じステップを踏んで工事を行いますから、面積次第では大きな費用がかかることがあります。さらに、既存の住宅部分の劣化が目立つことも多く、結局既存の住宅部分の内装をやり替えるといったことは少なくありません。
工事範囲が広がると、フルリフォームにして間取りプランを工夫するほうがコストダウンになり、住宅全体がきれいになって暮らしやすくなるなどメリットが大きくなることもあるので、費用の問題だけに注目せず、全体を見てどちらがリフォームの効果が大きいかを家族でしっかり検討しましょう。
部屋を増やすリフォームは、家族構成やライフスタイルが変わった場合や、既存の住宅部分の劣化が進んでいない場合にとても効果的なリフォームです。リフォームでより暮らしやすい住空間を手にするために、複数のプランをじっくりと比較検討して進めていきましょう。