毎日使う場所だからこそ快適に!トイレ空間を心地よくおしゃれにリフォームするポイントについて解説!
ひと昔前までは単なる排せつのための場所という位置づけだったトイレですが、最近はほっとできるプライベート空間として機能や内装にこだわる人が増えています。健康管理のための空間であり、また家族だけではなく来客も使用する場所ですから、ライフスタイルに合った快適な空間にしたいもの。
使いやすいトイレ空間をつくるには、現在の不満点を解消するだけでなく、プラスαの工夫を取り入れることが大切です。そこで今回は、おしゃれで使いやすいトイレ空間をリフォームで実現するためのポイントについて紹介します。
トイレ空間に起こりがちな不満点TOP3とは?
水まわり空間のひとつであるトイレは、キッチンや浴室と比べると新築時に予算を抑えて設計していることがほとんどです。過ごす時間が短く、空間そのものも小さいためですが、使用回数はキッチンや浴室よりも多いため不満点があると気になりやすい場所でもあります。
トイレ空間をおしゃれに機能的にする前に、まず起こりがちな不満を解消することがトイレリフォームの大きな目的のひとつ。特に多い不満点3つを挙げてみます。
1.使い勝手が悪い
トイレ空間を快適にしようという意識が高まってきたのは、ここ最近のことです。築年数が経っている家ほど新築当時はトイレ空間の快適性をそれほど重視せず設計していた可能性が高いため、機能が少ない便座を設置していたり、座ると正面の壁がすぐ目の前に迫ってくるような広さしかなかったりします。
便座だけを交換しても便器とのサイズが微妙に違っていて座りづらい、狭くて動きづらいといった不満がたまりやすいです。
2.暗くて湿気がひどい
家全体の間取りを考える時、日当たりのいい方角にはリビングや和室などを配置することが多いため、自然と水まわり空間は日当たりの悪い方角に配置されるパターンは少なくありません。確保できる窓のサイズも小さいことが多く、日中でも照明をつけなければ暗いトイレが多いです。
便器やタンクに常に水がたまっているので湿気が出やすい空間ですが、日当たりが悪く窓が小さいために換気が不十分な状況になっているため、カビが発生しやすいのも不満につながりやすいでしょう。滞在する時間が短いのでつい我慢してやり過ごしているというケースは珍しくありません。
3.汚れがたまりやすい
家の中でも特に汚れやすい場所であるトイレ。旧式の便器だと汚れがついても取れにくい材質なので、すっきりときれいにならないという不満がたまりやすいです。便器の後ろにタンクがついていると、手洗い部分に水垢がたまりやすいのが悩ましいですね。
便器だけでなく、床や壁の汚れも蓄積して取れにくくなっていることが多いです。目に見えなくても、水や尿は予想以上に広範囲に飛び散っているため、壁紙やクッションフロアなどの内装材に汚れがしみこんで取れない、ニオイの分子が吸着して何となくいやなニオイが消えないといった状況になりやすいと言えます。
リフォームで快適なトイレ空間に変える4つのポイント
プライベートな空間であると同時に、来客も使うパブリックな一面を持ち合わせるトイレ空間。「見られてもいい」という点を前提にリフォームを行うのがおすすめです。効果的なリフォームのポイントを4つお伝えしましょう。
1.まずは使いやすさを優先する
雑誌やネットなどでおしゃれなトイレ空間の施工事例がたくさん出ていますが、トイレのもともとの用途を考えてまずは家族のライフスタイルに合った使いやすさを優先することが大切です。
たとえば介護が必要な家族がいるなら手すり付きの便器を選ぶ、車いすでもトイレ内に入りやすいよう出入口を開き戸から引き戸にするといったリフォームを行うといいでしょう。毎日使う場所ですから、できるだけストレスなく使えるような商品を選ぶのがポイントです。もし予算を少し多めにかけられるようなら、トイレの周辺スペースも含めてトイレ空間の広さを少し広げる工事を加えるのもひとつの方法でしょう。
2.清潔な状態を簡単に維持できるプランにする
トイレ空間は、用を足す場所である上に家の中で日当たりや換気が悪い条件の方角に配置していることが多いです。大掛かりなリフォームでトイレの位置自体を動かすのならともかく、今の位置で空間の中だけをリフォームするという条件なら、掃除や換気のしやすさを考慮するといいでしょう。
一例として、トイレ内の壁を壁紙ではなくパネル仕上げにする方法があります。便器の左右の壁には水や尿が飛び散っていることが多く、定期的に拭き上げないとニオイの分子が壁紙の繊維に入り込んでしまい、換気をしても何となくニオイが残っているという状況になりがち。パネル仕上げならニオイの分子が染み込むことがなくさっと拭けるため、短時間で清潔にできます。汚れが飛びやすい床から80~90㎝あたりまでをパネルで、そこから天井までは壁紙で仕上げると工事費用を抑えられます。
また、便器に関しては汚れがつきにくくとれやすいタイプが主流になっています。メーカーによっては用を足して水を流すたびに便器内を洗浄してくれる機種もありますから、家事の手間をなくしたいという場合はこうした機種を選ぶのもおすすめです。
3.見映えにもこだわる
最近は、トイレ空間は単に用を足す場所ではなく、一人でリラックスできる癒しの空間としてインテリアにこだわる傾向が強くなっています。装飾を抑えてシンプルにまとめるのもいいですが、せっかくリフォームするなら軽い遊び心を加えたデザインを楽しむのもおすすめです。
たとえば、トイレ空間の壁面のうち1面だけを違う色や柄の壁紙にするアクセントクロス手法はとても人気です。空間全体に立体感が出ますし、狭い空間だからこそリビングや寝室では挑戦しにくい大胆なデザインに挑戦できるのがメリットです。また、室内の湿度に合わせて湿気を吸放湿したりニオイを吸着する機能を持った壁材を採用するのもいいでしょう。一見タイルのようなデザインなので見た目にも豪華ですし、特別なメンテナンスが不要なので維持管理が楽ですよ。
4.将来の生活を見越してプランする
トイレは立ったり座ったりする動作が必要な場所なので、健康な時には問題なくてもケガや加齢による運動能力低下などで体の動きに制限が出る生活になると動作が大変になります。キッチンや浴室とは違って狭いこともあり、体の方向を変えることすら難しくなることもあります。
体の動きに制限がある状態になることをあらかじめ見越して、トイレ内の設備を整えておくことはとても大切です。出入りがしやすいよう出入口を引き戸にする、開き戸の場合は取っ手部分をレバーハンドルにする、便器への立ち座りがしやすいよう適切な位置に手すりを設置する、操作しやすい位置に便座のリモコンを設置する、照明の操作をしなくてもいいように人感センサー付きの照明器具に交換するなど、家族の状況や将来の生活を予測しながらトイレ内の設備を組み合わせていく工夫が必要でしょう。
たかがトイレされどトイレ、小さな空間ではありますが毎日使うトイレ空間の快適性がアップすると日々の生活にもいい影響が出やすくなります。リフォームという機会を生かして、より使いやすく過ごしやすいトイレ空間を手に入れてみませんか?