床をリフォームするなら知っておきたい フローリングの基礎知識3選
フローリングのリフォームをしようと考えている方の中には、一体どんな悩みがあるのでしょうか?
フローリングが汚れてきた、フローリングがたわむようになってきた、バリアフリーにしたい、畳や絨毯からフローリングに変えたい、無垢材に変えたい・・・
様々な理由があると思いますが、今回はどんなパターンでも知っていて役に立つ、フローリングリフォームの基礎知識をご紹介します。
前半部分ではフローリングのDIYと全体の工程について、後半部分ではフローリングの種類や工法など、プロと話すときに理解が早くなるよう、フローリングの基礎知識を紹介していきます!
1.フローリングのDIYについて
早速ですが、床のリフォームに関して下記の条件に当てはまる方であればDIYをしても良いと思います。
・時間に余裕がある
・道具を一通り持っている。
・とにかく自分で作ってみたい! と思っている
・今は施工予定の部屋に荷物がない
・施工予定の部屋以外に3畳以上の空きスペースがある
ただ、床のリフォームは全て自分でやろうとした場合、かなりの時間と手間がかかるため、自分でやるという事にこだわりが特に無い場合は、プロに任せてしまってもいいかもしれません。
具体的なリフォームの工程は大きく分けて以下の11個です。
①部屋の間取り計測
②家具移動(施工場所から移動)
③養生(壁への傷。木くずの付着防止)
④解体(ごみの移動含む)
⑤材料の必要数確認、カット(下地)
⑥下地施工(もしくは補強・調整)
⑦フローリング材の貼り方確認・材料カット
⑧フローリング張り
⑨塗装・ワックス掛け
⑩清掃・家具移動
⑪ゴミの処分
ずらっと挙げてみましたが、一つ一つの工程もそれなりに時間がかかります。さらに、これらの他に巾木(はばき)の交換や壁紙の貼替えなどが必要になってくるケースもあります。
2.フローリングの種類
フローリングには大きく分けて2種類「複合フローリング」と「無垢フローリング」がありますが、最近では両方のメリットを兼ね備えた「挽き板フローリング」というものも登場しています。ここでは、それぞれの特徴をご紹介していきます。
2-1複合フローリング
複合フローリングとは、複数の板を接着剤で貼り合わせた合板の表面に、仕上げ材を貼り付けたものを指します。
仕上げ材は樹脂シートだったり天然木の薄板だったりします。表面の仕上げ材の厚みは0.3~3mm程度、厚みのあるものは溝が深く木目が鮮やかなのが特徴です。
特に表面に2~3mmの天然目を貼り付けたものを挽き板フローリングと言います(後述)。
複合フローリングのメリットは、温度や湿度による変化に強いことです。木の繊維が交差するように板を貼り合わせているため、膨張や収縮、れじれ、反りが生じにくくなっています。そのため、施工後のフローリング材に起因する床鳴りやきしみは起きにくくなっています。
表面加工により耐薬品性や耐摩耗性の機能を持たせたもの、キャスターや車椅子などの凹みに強いタイプ、ワックス不要タイプ、抗菌塗装タイプなどがありますので、生活スタイルや部屋の用途に合わせて選べます。
2-2無垢フローリング
無垢フローリングとは、天然木から1枚の板に加工したものを指します。
そのため、たとえ木の種類が同じであっても、1枚1枚には異なる表情があります。
注意点としては、無垢フローリングは温度や湿度の変化に影響を受けます。夏は水分を含んで膨張し、冬は乾燥して収縮します。この状態を繰り返すので、工事終了後に反りや曲がり、割れが生じる場合もあります。さらには複合フローリングに比べて傷がつきやすく、汚れもつきやすいです。
しかし、無垢フローリングといえば“木の風合い”が最大の魅力です。
無垢の木は多孔質と呼ばれる構造をしていて、その小さな穴で呼吸をしています。だから冬はほんのり暖かく、夏はベタつくことなくサラサラと、気持ちのいい足触りが楽しめます。
そして何より、無垢フローリングは表情が豊かです。 経年変化が現れやすく、さらに傷がついてしまったときには悲しい想いをしてしまうかもしれませんが、その傷もフローリングの変化とともに一つの表情となるかもしれません。傷だと思っていたものも、数年後は味わいに変わるでしょう。
「傷を恐れず、それすらも今後どのように変化していくのか楽しむ。」無垢フローリングを選ぶ際にはおおらかな気持ちで変化を受け入れましょう。
2-3挽き板フローリング
先述した複合フローリングには、本物の木を薄くスライスして表面に張り付けたタイプもあります。
中でも「挽き板」と呼ばれる2~3mmの厚みのある板を張り合わせたタイプは、無垢のフローリング材と遜色ないほどの質感と高級感があります。なおかつ複合フローリングの耐久性・経済性を併せ持ち、美観・機能・価格の、バランスの良い建材です。
表面の仕上げや塗装の種類によってはワックスも不要な製品もあります。無塗装品といってあらかじめ塗装がしていないものもありますので、好みによってオイル仕上げを選ぶことができるものもあります。
3.工法について フローリングを貼り替えるか重ね貼りするか
今現在の床がフローリングだとすると、フローリングリフォームには、古い床板をはがしてから張る方法と、はがさずに上から重ね張りする方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、状況によって選び方が変わりますので、まずはリフォーム業者に現場を確認してもらいましょう。
【フローリングをはがして、貼り替えるリフォームの特徴】
◎リフォーム前後で、床の高さがほとんど変わらない
◎床組の腐食など、下地の状態を確認しやすい
×古いフローリング材をはがす工事が必要
×工事の手間が掛かり、日数と費用がかさみやすい
×廃材がたくさん出るので、処分費用が掛かる
【フローリングをはがさず、重ね貼りするリフォームの特徴】
△リフォーム前に比べ、床材の厚み分だけ床の高さが上がる
×床が上がった分だけ、扉の調整などが必要になることがある
×床下地の腐食など、状況を確認しにくい
◎二重になる分、床が丈夫になる
◎工事がカンタンで、費用を安く抑えやすい
◎廃材が少ないので、処分費用が少なくて済む
床が沈む、床鳴りがするといった症状がある時は、床組の腐食やゆるみの可能性があります。貼り替えリフォームの際には、床組の点検と補修をあわせて行っておきましょう。
重ね貼りリフォームの場合でも、工事前の調査の段階で床を一部開口して床組のチェックをすることもできますし、多少の痛みであれば補修することもできます。
まとめ
フローリングのリフォームについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?リフォームを楽しく、より安く済ませる方法としてDIYがありますが、床に関しては少し大掛かりなためプロに任せてしまう方法がオススメです。
床の傷み具合や不具合の特定、工法選定に関してはプロの視点が必要であったり、工事の準備のために人手が必要だったりと、工事自体かなりの精度を要求される事も多くあります。
フローリングは材料選定だけでも大変奥が深くて面白いものです。材木の種類によって見た目や質感が変わるのはもちろんですが、同じ種類、同じ仕上げ方でも木材の切り出し位置によって全然違うものになります。
専門的な知識が必要な箇所はプロと相談しながら、自分のこだわりはしっかり伝える事で、素敵なフローリングリフォームができると良いですね。