断熱リフォームの外張りって何?外壁にかかる費用もご紹介!
「冬のお風呂やお手洗いが寒すぎて困る」「夏はエアコンを入れないと蒸し風呂のようになる」、そんなお悩みはないでしょうか?断熱リフォームは外気の影響を受けにくくすることで、エアコンなどの電気代を下げる効果もあります。そこで今回は、外壁を断熱リフォームする場合のメリットや工法、費用についてご紹介いたします!
1、断熱リフォームのメリット
1-1、断熱はなぜ必要なのか?
日本には四季がありますから、気温も違います。断熱機能があまりない家だと、「夏は暑くて冬は寒い」という外気の影響を直で受けてしまいます。「エアコン代がかさむのはつらいけれど、健康には変えられない」とあきらめる方も多いでしょう。
家は壁で囲まれているのでもちろん外気が直撃することはありませんが、壁や天井・窓といった部分からじわじわとエアコンの風が逃げて行くのです。
1-2、断熱しないことで起こるリスクとは
電気代以外にも、断熱性能が低い家で起こりやすいのが「ヒートショック現象」です。聞いたことがあるかもしれませんが、ヒートショック現象とは急激な温度変化で血圧がいきなり変わることで、「心筋梗塞」や「脳卒中」といった健康リスクを引き起こす原因になるといわれており、特に「冬」に起こりやすいとされています。
高齢者が室内で亡くなる原因の4分の1はこの「ヒートショック現象」が原因と言われており、なんと交通事故で死亡する人の約4倍も多いのです。
エアコンの効いた部屋からお風呂やお手洗いに行ったときに、「寒い!」とちぢみあがった経験はないでしょうか?それこそが、ヒートショックを受けている状態なのです。高齢者でなくても、高血圧や動脈硬化の傾向がある人も十分注意が必要です。
ヒートショックによる健康被害を防ぐためにも、「断熱リフォーム」が大切になってきます。
2、人気なのは外張り断熱!
2-1、外壁断熱リフォームの種類①「充填断熱工法」
外壁の断熱リフォームには、2種類あります。梁や柱に断熱材を詰めて(充填して)断熱性を高める「充填断熱工法」と、家の柱などの外側から断熱材で家をすっぽりと覆う「外張り断熱」の2種類です。
ちなみに「外断熱」という言葉もありますが、戸建て住宅の場合は「外張り断熱」になります。
充填断熱工法では梁や柱の隙間に断熱材を入れる場合は、「グラスウール」や「セルロースファイバー」といった繊維系の断熱材を使用することが多いです。屋根や床には板状の断熱材を使用することが多いです。
「繊維系は断熱性能が低い」と言われがちですが、柱や梁に充填するときは厚みをしっかり持たせますので、断熱性もあります。ここで相場より格安のリフォーム業者にお願いすると、見えないところなので断熱材を少なくされてしまうことがあります。業者選びは価格だけで選ばず、信頼できるところにお願いする必要があります。
2-2、外壁断熱リフォームの種類②「外張り断熱工法」
外張り断熱工法のほうがコストは高いのですが最近人気の工法で、外から家全体を断熱材で覆うため家の内部に影響がありません。また、施工後も外側から状態を確認できるといったメリットもあります。
ただ、建物の外側に断熱材を施工するので単純に家が大きくなります。狭小地や、広さに余裕がない家の場合は外張りで断熱リフォームができないこともあり、その場合は充填断熱での外壁リフォームを検討する必要があります。
また、「今すでに断熱材を使っているが、性能が低く結露も多い」という場合は、一度プロに状態をチェックしてもらったほうがいいでしょう。断熱材に湿気が溜まりすぎて、カビが発生しているケースもあります。(状態が悪ければ、既存の断熱材を撤去する必要があります。)
2-3、木造住宅ならどちらがいいの?困ったらプロに相談!
実は木造住宅の場合、充填断熱工法と外張り断熱工法のどちらを選んでも問題ありません。
傾向として、充填断熱のほうが断熱材を入れるスペースを作る必要がなくコストを抑えやすいですが、リフォームの場合は内部に影響を与えない外張り断熱がいいというケースもあります。また、どちらか一方ではなく「充填断熱+外張り断熱」のセットで行うリフォーム方法もあり、「付加断熱」や「ハイブリッド断熱」などと呼ばれています。
「自分の家にあった外壁のリフォーム方法はどれだろう?」と悩んでしまいますが、断熱の構造というのは奥が深いので勝手な素人判断は危険です。そこはやはり専門知識を持ったプロに相談してみることをおすすめします。
2-4、外張り断熱リフォームで気を付けること
外側から断熱材でぴったり家全体を覆うと、もちろん断熱性は向上します。ですが、「湿気対策」も忘れてはいけません。あまりにぴったりと断熱性を持たせて外壁リフォームをすれば、今度は「湿気の逃げ道」がなくなるのです。
工法によっては湿気がこもり、結露問題などがでてきます。しっかりしたリフォーム会社なら湿気の部分も考慮して、「断熱性を上げながら、通気性も確保する」という高度な技術で外壁リフォームをしてくれます。
3、[窓の場合]外壁の断熱リフォームにかかる費用・期間
3-1、窓の断熱リフォームをする場合
窓を触ると、夏はじんわりと暑く、冬はひんやりと冷たくなっていませんか?断熱リフォームを検討するなら、「窓」も重要です。窓は外壁の中でももっとも外気温の影響を受けてしまうからです。
壁や屋根など、外壁でもさまざまな部分から気温の影響をうけますが、窓の場合は夏の暑さの7割、冬の寒さなら6割もの影響を受けているといわれています。カーテンで窓を覆っても、やはり隙間がありますので完ぺきではありません。
断熱性を高めるためにリフォームするなら、以下の方法で窓のリフォームも検討してみてはいかがでしょうか?
①「Low-E複合ガラス」
Low-Eとは英語で「低放射」のことです。断熱効果を高めるためにガラスの表面に特殊な金属を加工しており、「合わせガラス」より断熱効果も高いです。
②「インナー樹脂サッシ」
内窓のサッシを樹脂製で作ってあるものです。一般の住宅ではサッシは熱伝導率の高いアルミであることが多いですが、樹脂製に変えるだけで熱伝導率が1000分の1まで下げられます。
種類 | リフォーム方法 | 期間 | 費用 |
Low-E複層ガラス | 窓ガラスだけ交換 | 2時間ほど | 20万円~
(窓面積3.3㎡の場合) |
サッシごと交換 | 1日 | 100万円以上 | |
インナーサッシ(樹脂) | サッシだけ交換 | 1~2日程度 | 1か所5万円~ |
Low-E複層ガラスは、断熱性以外にも紫外線カット・防音性アップなどの効果もありますが、サッシごと交換するとなると費用は格段に上がります。
インナーサッシは、交換方法によって金額も大きく変わります。壁を取り壊さずにリフォームができれば、表のように1~2日程度の期間で費用も5万円程度ですみます。ですが、壁を壊す必要があれば2日以上の期間がかかり、費用も30万円以上になることがあります。
3-2、総額でかかるリフォーム費用は?
家の大きさや、断熱リフォームする部分によって金額は大きく変わります。外壁など一部分であれば数十万円でできることもありますが、戸建てすべてを断熱リフォームするとなると300万円以上かかることもあります。
ただ、断熱リフォームすることで自治体や国から「補助金」が出るケースもあります。その場合は施工前に手続きが発生することが多いので、リフォーム会社にも確認するようにしましょう。
まとめ
快適な家づくりのためには、「温度差をなくす」「エアコンの効きがいい家にする」というポイントは外せません。
今回ご紹介したように、断熱リフォームには外壁をはじめ床や建具などさまざまな部分を見直す必要があります。工法も種類があるので、「我が家に最適な方法」はなかなか自分では導き出せないものです。
そんなときは、一度信頼できるプロに家を見て相談に乗ってもらうと間違いがないですよ!「夏は涼しく冬は暖かい」、住み心地のいい家にリフォームしてくださいね!