リフォーム工事の契約書、チェックをするべきポイントをご紹介
老朽化等の理由によってリフォームが必要になった住宅をリフォームすることに決めてから、見積り依頼を行って実際にお願いするリフォーム業者を決定します。業者が決定すればその後「契約」が必要です。契約を行う場合には契約書が必要になりますが、簡単な作業のリフォームの場合、契約書を作成しない業者もいます。契約に対する知識が無ければ「契約書がなくても良いのかな?」「契約書を後で発行してくれるのかもしれない」と思ってしまうかもしれません。規模の大小に関わらず、リフォームの仕事を依頼する時は契約書を必ず作成してもらうようにしましょう。
リフォーム工事を行う場合、契約書が作成されないとどのようなことになってしまうのか?契約書の内容について気を付けるポイント等をご紹介します。契約書を取り交わす際の参考にしてください。
契約書を作成しなければどうなる?
リフォームを行う際に契約書が作成されない場合、契約自体が無効になってしまうのかも?と思われる人も多いかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。法的には口約束であっても、契約は契約であり有効になります。だからと言って契約書を作成しなくても良いということではないので、契約書は必ず作成する必要があります。
契約書が必要である理由の1つとして、問題が発生した場合に実際に口約束や話し合いで決めた内容であるかどうかの確認ができないことが挙げられます。施工内容についても形として残されていないので、正確な作業内容を確認することができず、依頼した作業が行われない可能性もあります。
このような場合に契約時に言った・言わない、ということになってくるので、施工内容はもちろん工事内容に関わる全ての内容を書面に残し、契約書を作成する必要があるのです。工事内容の大小や相手を信用している等は、契約書を作成しない理由にはなりません。
建設業法ではリフォームを含む建設工事すべてにおいて工事を行う場合には契約書を作成する義務があり、契約書を作成せずに工事を行った場合にはリフォーム会社が行政から指導を受けたり、営業停止処分を受けることになったりします。リスクを負ってまで契約書を作成しないということは無いとは思いますが、作成をしない可能性も無いとは言えません。契約書を作成しないまま工事を始めてしまった場合は契約書について確認し作成してもらいましょう。
リフォームの契約書で注意する点
リフォームの契約書の正式名称は「リフォーム工事請負契約書」です。契約を交わす場合には契約書の他に図面等の添付書類も必要になりますので、添付書類についても説明します。
契約書の中身を確認する
契約書は既に見積書で確認をしていることと同じ内容が記載されているものだと思ってはいませんか?
書類に対しての簡単な説明を受けて、その場ですぐに押印するものだと思われている方も多いはずです。しかし、実際には見積書をそのまま反映した内容とは限りません。見積書の時点で訂正や追加をしている場合には、内容や費用の内訳も異なってきます。見積書の内容と異なっている場合には再度チェックが必要になり、その場で契約書に押印等ができないかもしれません。じっくり内容をチェックするためにも、契約書本体かコピーを持ち帰って家族と再度チェックをすることをおすすめします。
後から契約書の内容に不備があり、変更を希望したとしても変更ができない可能性もあります。場合によっては違約金等が発生する等、注意が必要になります。
リフォーム工事請負契約書は住宅リフォーム推進協議会・民間(旧四会)連合協定のフォーマットが使用されることが多いです。契約段階の前にこちらのフォーマットを一度チェックしてみてください。フォーマットをそのまま使用して契約書を作成する場合がほとんどですが、そのまま使用することが決められているわけではないので、リフォーム会社によっては会社の都合の良いように変更していることもあります。契約書の中身をチェックするにあたって、どのような点に注意が必要なのか詳しく解説していきます。
必要な書類が揃っているか確認
添付書類を含めての契約書と説明しましたが、リフォーム工事請負契約書のみ、という場合もあるようです。添付書類には工事の内容等の内訳や作業内容等が記載されているので、添付書類が無いと具体的な内容が分かりません。工事の内容の確認が必要になっても確認をすることができず、打ち合わせと異なる等のトラブルが発生する可能性もあります。書類の不備はリフォーム会社に悪意があってのことばかりではなく、うっかりミスや勘違い等ということもあるので書類の不備が見られた場合は書類について確認をしてください。
見積書と契約書に違いがないかチェック
見積書で十分なチェックと話し合いをしている場合等は、契約書も同じ内容で作成されていると思ってしまうこともあるはずです。大抵の場合には見積書と契約書の内容は同じになっていますが、リフォームの場合等は見積書の価格から値引き等があったり、工事内容の変更をしたりすることはよくあることです。見積書からの変更箇所についてのチェックをするためにも、見積書と契約書の双方を見比べてください。事前に話し合いで決められた変更箇所以外は、リフォーム業者へ確認して説明を受けるようにしましょう。
工期の記載をチェック
リフォーム工事請負契約書には工期を書く欄があります。この部分が空白、又はぼかした記載となっている場合には注意が必要です。日付が正確に定まっていなければ、リフォーム工事がいつ頃開始していつ頃終了するのかが分かりません。話し合いによって決められた期日がある場合には、なぜ記載されていないのか確認しておく必要があります。
様々な理由によって記載している日付で工事を進められるかは分からないもので、実際に工事を始めてみると資材調達の遅れ・追加工事の発生等の問題が起きることもありえます。そのための考慮もされた日程であり、納得できる内容であるかチェックをしてください。
住宅リフォーム工事請負契約約款は必ずチェック
住宅リフォーム工事請負契約約款と聞いてすぐに内容が分かる方は少ないでしょう。これはリフォーム工事請負契約書とは別のもので、約束事等を記載している書類です。契約書と別に作成していたり契約書の裏に記載されていたり、その形はさまざまですが、細かい字で書かれていて読みづらいのが特徴です。工事の保証期間・工事の延伸等の場合の違約金・事故が起きた場合の補償等、工事にとって重要なことが記載してあります。
契約約款はリフォーム工事だけではなく契約を行うものすべてに必要とされ、携帯電話等の契約時にも契約書の裏等に約款は記載されています。「お読みください」等と言われますが、読み飛ばし等をしてしまいがちなのです。とても重要な内容になっているので必ず確認をしてください。業者によっては、あまり確認されない部分だからと依頼側に不利な内容にしていることもあるかもしれません。
収入印紙が貼ってあるか?
契約書には収入印紙を貼ります。収入印紙を貼るのはなぜか?と思われるかもしれませんが、日本には印紙税法という法律があり、作成した文章が「金銭のやり取りに関わるもの」であれば税金の徴収の対象になります。そして税金を納めた証拠として収入印紙を貼り、既に納税が済んでいることを示します。
これらの理由によって収入印紙を貼っていなければならないのですが、もし収入印紙が貼られていないような場合でも契約が無効になることはありません。しかし、印紙税法違反になってしまうので注意をしましょう。
リフォーム契約書の内容に同意できない場合
契約をしっかりと確認して、訂正がされていない部分や納得がいかないところがあれば、リフォーム会社の担当者に質問をして解決させておきましょう。見積書の時点で修正をした場所が訂正されていない・追加が反映していない等があった場合、修正前の状態で工事をされてしまうこともあります。
意味が分からない部分等も質問をして理解をしておきます。契約書はお互いが納得をした上で同意をしたものなので、納得していない状態で契約は行わないようにしましょう。
リフォーム工事の契約書に関するよくある質問
Q. 契約書と見積書は同じではないのか?
見積書の内容を反映したものが契約書ですが、見積書の内容そのままが契約書に記載されている訳ではありません。値引きや、見積書作成後に決まった内容等が追加されるので、同じように見えますが中身は異なります。見積書があるから契約書を作成しなくても大丈夫、ということにはなりません。
Q. 口約束で工事を開始した場合、違法になりますか?
違法ではありません。口約束であっても契約となりますが、契約書が無いとどのような内容の工事なのか?詳細等について確認することができません。話し合いをして作成した見積書の内容を反映させた、契約書が必要なのです。