介護のためのお風呂リフォーム!具体的な内容や注意点について

親に介護が必要になった時、できれば自宅で介護してあげたいと考える方は多いものです。もしかするとあなたも施設には入所させず、在宅介護に挑戦しようと考えているかもしれません。

とはいえ、自宅で介護をするのはあなたの想像以上に大変なこととなるでしょう。覚悟が足りないとは言いませんが、実際に始めてみなければ分からない大変さが介護にはあります。何の知識や準備もなく始めてしまえば、介護のストレスであなた自身の健康も損なわれてしまいかねません。

特にお風呂は介護者にとっても被介護者にとっても負担が大きい場所。介護のためにリフォームを済ませておけば肉体的な負担が減り、少なからずストレスを軽減できます。

今回は介護のためにお風呂をリフォームするべき理由、またどのようなリフォームをするべきかについて解説します。

 

なぜ介護のためにリフォーム?

そもそも介護のためにリフォームを行うべき理由がイマイチ分からないという方もいるかもしれません。そこでまずはリフォームが介護にどう役立つかを説明します。理由は大きく分けて以下の3つです。

 

・被介護者の負担を軽減するため

・介護者の負担を軽減するため

・早めに対策を打っておくため

 

被介護者の負担を軽減するため

高齢者や障害のある方など、被介護者となる方にとってはどこにでもある普通の家でさえ困難だらけに感じてしまいます。例えば健康な方なら特に意識することもないような小さな段差でも、体力や筋力が弱った被介護者の方にとってはとても高く感じてしまうものです。段差を乗り越えるたびに肉体的な負担がかかるだけでなく、つまずいて転んでしまったらどうしようという精神的なストレスもかかります。実際に足を引っかけて痛い思いをすることもあるでしょう。痛い思いをするだけで済めばまだマシなもので、打ち所が悪かった場合には骨折してしまう可能性もあります。

自分で家の中を自由に動けないとなれば心の活力はどんどん失われていきます。動くことを諦めれば筋肉は弱くなり、さらにできることが減ってしまうのです。

自分でできることは自分でやる。これができる環境を整えることが介護におけるリフォームの大きな役目となります。

 

介護者の負担を軽減するため

記事の冒頭でも述べた通り、介護をするのはとても大変なことです。これは介護士という仕事があるくらいなのですから当然のことと言えるでしょう。

1日や2日やれば良いものではない、というのも介護が辛い理由の1つ。毎日の疲れが積み重なり、いわゆる“介護疲れ”という状態を生み出します。

特に被介護者をお風呂に入れることが大変なのは想像に難くないでしょう。服を脱がす、体を持ち上げて浴槽に入れる、体を洗うなど、これを力だけで解決しようとするのは相当なストレスです。これらの負担を軽減するためにリフォームは大きく役立ちます。

 

早めに対策を打っておくため

今はリフォームをしなくても何とかなるだろう……。そう考える方もいるでしょう。たしかに今は何とかなるのかもしれません。しかしその状況がいつまでも続くとは限らないはず。むしろ時間が経てば経つほど、介護はより大変になっていくと考える方が自然です。なぜなら被介護者は時間が経てば経つほどますます体力がなくなっていくから。介護者側も年を重ねれば力が衰え、同じ負担でもより辛く感じるようになるでしょう。

いざリフォームが必要になった時、すでに介護で手がいっぱいになっているとなかなか時間を取れません。そのため将来に備え、できることから少しずつ対策を打っておくべきなのです。

 

お風呂にどのようなリフォームをするべきか?

それでは具体的にお風呂でどのようなリフォームをするべきなのかをご紹介していきます。今、自分の家ではどのリフォームが必要になるのかをぜひ参考にしてみてください。

 

手すりの設置

介護リフォーム

 

お風呂の床は湿気や水気のせいでとても滑りやすくなっています。介護が必要になるほど体が弱っていれば足腰も弱っているはずですから、ちょっとバランスを崩しただけで転んでしまうかもしれません。ところが手すりを設置して入れば足だけでなく手にも力を分散できるため、転倒のリスクを減らせます。

また、手すりがあれば浴槽に入る時にも役立ちます。浴槽に入る時は足を持ち上げてなくてはいけませんから、歩く時以上に足の筋力が必要だと言えますよね。手すりがあることでより安全に、より楽に入浴を楽しめるようになります。

 

浴槽の変更

介護リフォーム

 

手すりの設置にも書いた通り、被介護者にとって浴槽をまたぐのは大変です。この問題を解決するためのシンプルな方法が浴槽の高さを低くすることです。しかし、ただ低くするだけでは浴槽が浅くなってしまいます。

そこで浴槽の底が浴室の床より一段階低くなっている埋め込み式を採用すれば、深さはそのままでまたぐ高さを低くすることができます。

 

リフトの設置

寝たきりの被介護者を入浴させる場合、浴槽に体を浸からせるためには介護者が体を持ち上げなくてはいけません。いくら体が弱り体重が落ちているからといってもその重さは数十キロ。介護に慣れている方であっても結構な重労働です。

そこで役に立つのが電動のリフト。電気の力を借りることで体を持ち上げる負担が大幅に軽減し、入浴させてあげるストレスが少なくなります。

 

床材の変更

床が滑りやすいと感じるならまずは滑りにくいものへ変更しましょう。転倒のリスクが低くなればケガをする可能性が低くなるのはもちろん、入浴に対する恐怖心も和らぎます。

そしてできればクッション性の高さにも注目してみましょう。転んだ時のケガを少しでも小さくできるというのもメリットですが、介護者が被介護者の体を洗ってあげる時、膝立ちが辛くなくなるのも見逃せないメリットです。

 

工事をしなくてもできること

入浴用いすの購入

被介護者の足が不自由な場合、入浴用のいすを購入すると良いでしょう。入浴用いすは足にタイヤがついている簡易的な車椅子のようなもの。入口の段差を乗り越える手間が省けます。もちろん段差を解消するためのリフォームも必要になるので購入の際は一緒に工事も検討してください。

 

入浴台の購入

浴槽に入る時、一度へりに座って足を持ち上げ、それから体の向きを変えれば楽に入れますよね。しかし浴槽のへりは幅が狭く、そのままでは危険です。そこで役に立つのが入浴台。バスボートという名称でも販売されているこの道具を使えば、浴槽への出入りが簡単になります。

 

介護保険を使ってリフォームしよう

いろいろとリフォームしたい部分はあるけど資金に余裕がない、というあなた。諦めるのはまだ早すぎます。なぜなら介護を目的としたリフォームには介護保険による補助を受けることができるからです。

今回ご紹介したリフォームはすべて介護保険が使える可能性があるもの。支給される金額は最大20万円となっておりますので、ぜひこの制度を利用してみてください。こちらから申請しなければ補助金は受け取れませんので、うっかり忘れないようにしましょう。

 

介護保険以外にも使える制度が

介護保険で20万円の補助が出ると言ってもまだ少し足りない、という場合。もしかするとまだ使える制度があるかもしれません。それはあなたがお住いの自治体が独自に実施する制度を利用すること。どこの自治体でも実施しているというわけではありませんが、地域によっては何らかの補助制度を設けている可能性があります。せっかく利用できるかもしれないのに使わない手はありません。役所の窓口やリフォーム業者と何か使えるものがないか相談してみてください。



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