マンションのフローリングリフォームで知っておくべき注意点まとめ

マンションと戸建てにおける一番の違いは「集合住宅か個人住宅か」というところだと思います。特にマンションでフローリングのリフォームをする場合は 、集合住宅なので周辺の住民にも気を使わなければなりません。

今回はマンションの床をフローリングにするフローリングリフォームをする方にぜひ知っておくべき注意点をご紹介します。

1.マンションでのフローリングリフォームの注意点

マンションのフローリングリフォーム
マンションのフローリングリフォーム

最近ではマンション管理組合の管理規約が厳しくなってきています。特に遮音フローリングへのリフォームにあたっては、LL-45もしくはLL-40の遮音等級基準を満たしたフローリング材の使用が義務付けられています。

遮音等級とは?

遮音等級とは、階下にどれくらい音が伝わるかを示すものです。ちなみにLL-45とは、人の足音が気にならないレベルです。数字が少なくなるにつれて遮音性は増していきます。
遮音等級については、管理規約に細かく記載されていることが多いので、まずは管理規約を確認してみましょう。
マンションリフォームの際には、基本的に管理組合の事前承認を得なければ工事を行えません。
各種書式による申請を工事希望日に間に合うように提出する必要があります。提出しなければならない各種図面等はリフォーム会社に用意してもらいましょう。

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2.【マンションの構造別】フローリングリフォームの注意点

マンションのフローリングリフォーム
マンションのフローリングリフォーム

2-1.直床(じかゆか)工法の場合

マンションは大きなコンクリートの箱=1世帯を、たくさん積み重ねて作っているようなものです。箱の底面を、床スラブといいます。床スラブに直接フローリング等の床材を貼って仕上げることを、直床(じかゆか)工法と呼んでいます。この場合は、裏面に綿のような遮音材が付いているフローリング材を使用します。その分、足の踏み心地が若干フワフワしているのが特徴です。

直床工法の場合は上から別な仕上げ材を張る「重ね張り」ができず、かといって後述する「二重床工法」に変更するのも現実的ではありません。

よって、元々が直床工法の場合は、リフォーム方法も直床工法になると考えてください。フローリング材は直床工法専用品から選ぶことになります。

商品自体に、先ほどの遮音等級 LL-45もしくはLL-40 と記載されていますので、規約に合う商品を選んでください。

直床の場合、注意点があります。
水廻りなど必要な部分のみ床スラブを下げて作り、見た目は床に段差がないように仕上げているマンションもあります。リフォーム前は意識しないと思いますが、水廻りの位置を変えるリフォームをする場合、段差が出たり、水廻りの位置に制約がでる恐れがあります。

マンションの集会所や管理人室などに建築図面が置いてあるケースが多いのですが、一般の方にはなかなか確認が難しいです。リフォームのプロに相談して確認してもらいましょう。

2-2.二重床工法の場合

二重床は「浮き床」とも呼ばれ、床下に空間(12~15cm程度)がある構造です。床スラブの上に、支持脚や材木などを立て、その上に床下地とフローリング材を載せて仕上げます。支持脚と床スラブの設置面に防震製のクッションがあります。一般的に床に段差がなく、バリアフリー仕様になります。

二重床のメリットは下記の3つです。

1.設備配管等のメンテナンスがしやすい。

2.床下で配管が動かせるので、水廻りの位置をある程度柔軟に移動できる。

3.床下に遮音性能があるので裏側に遮音材が付いていない、遮音性ゼロのフローリングを選ぶことができる。

なお、フローリングリフォーム費用をできるだけ安く抑えたいと考えている場合は、元々のフローリングの上にもう1枚フローリングを張る「重ね張り工法」も選択できます。

3.リフォーム見積書について

マンションのフローリングリフォーム
マンションのフローリングリフォーム

続いて、マンションのフローリングリフォームの見積書について説明します。

リフォームにかかる費用の内訳は、主に以下の通りになります。

・材料費…フローリング、接着剤など床材の費用

・施工費…床を張りかえる職人さんの日当

・諸経費…リフォームに必要な資材、機材を搬入するために必要な経費など

・処分費…産業廃棄物の廃棄費用など

それぞれについて、細かく見ていきます。

3-1.材料費について

どの床材を使用するかで、費用は大きく違ってきます。主に使われる床材は「無垢フローリング」「複合フローリング」になります。無垢フローリングで遮音対策が取られている商品は少ないので注意しましょう。

3-2.施工費について

工事方法や工事内容によって異なります。重ね張りや表面の張り替えだけで済むのか、フローリングの下地の交換も必要であるか、などです。
先に述べたように、マンションの構造によって工事方法が変わるので、事前にリフォームのプロに現状の床を見てもらうのがよいでしょう。

3-3.諸経費について

マンションリフォームの場合、フローリング材や工事に必要な機材の搬入に、共用部分を利用します。エレベーターや廊下などの養生(傷や汚れが付かないようにシートを張って保護すること)が必要となり、工事中の室内の養生も加えると、一式で数万円~10万円程度の仮設費がかかります。そのため、戸建てよりも諸経費は高くなることが多いです。

3-4.処分費について

特に注意をしたいのが、廃材などの処分費です。フローリングのリフォームでは、今まで張っていた古い床材、あるいは下地が廃材として回収、処分となります。それらは個人で出すゴミとは異なり、産業廃棄物となります。法律に則り、適切に処分する必要があるため、処分費用が発生します。費用は数万円~10万円程度になります。マンションの床面積や、工事内容によっても異なります。

上記4点を見積もりの段階で確認しておくと追加費用発生時など、何かあったときに後のトラブルを避けられます。お願いする会社には必ず見積りの説明をしてもらいましょう。

4.タイプ別リフォーム注意点

マンション フローリング
マンションのフローリングリフォーム

4-1.畳からフローリングに張替え

「和室」を印象付け、その使い勝手の基となる畳。これをフローリングに張り替えます。このケースは、和室の建具(襖やドア)や、壁はそのままに、文字通り畳だけをフローリングへと張り替える床面のみのリフォームとなります。 工事内容としては、畳と畳寄(たたみよせ)を撤去した後、フローリングを張っていきます。

畳の厚さ約40〜50ミリに対し、フローリングの厚さは約12ミリ程度なので、仕上がりを他の部屋と同等にすべく、畳撤去後には隣接する洋室やリビングなどの床面との高さ調整である下地木工事を行った上でフローリングを張ります。

使用するフローリング材は、性能や強度などで費用が変わってきます。

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4-2.カーペットからフローリングに張替え

柔らかく、階下への音も響きにくいカーペット。ただし、食べこぼしのシミは取りにくく、ダニの発生も気になります。これをフローリングに張り替えます。このケースは、部屋のドアや、壁はそのままですが巾木を交換した上でフローリングへと張り替えるリフォームとなります。 工事内容としては、カーペットと今の巾木を撤去した後、フローリングを張っていきます。

カーペットの厚さ約15ミリに対し、フローリングの厚さは約12ミリ程度なので多くの場合、仕上がりの高さ調整のために下地工事を行う必要はありません。

しかし、下地のコンクリートの状況によって補修や微妙な高さ調整のために左官工事を行った上でフローリングを張ります。

使用するフローリング材は、性能や強度などで費用が変わってきます。

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4-3.フローリングの下に床暖房がある

フローリングには、遮音等級に加え、床暖房対応・非対応のタイプがあります。

既存の部屋が床暖房なしの場合は、床暖房マット+床暖房対応のフローリングを選べば問題ありません。床の高さにだけ注意してください。

いっぽう床暖房ありの場合は、注意が必要です。古いフローリングを撤去して、新しいフローリングに張替える場合、既存の床暖房マットは再利用できません(床暖房マットそのものの構造上の問題でもあるのですが、今回はその説明は省略します)よって床暖房マットの張替えも必要になりますので、それを考慮して予算を組んだほうが良いでしょう。

まとめ

マンションのリフォームは戸建ての場合と違うところが多々ありますが、床は特に異なる部分です。

今回は全体としての注意点、構造別の注意点、見積書の内訳の注意点、仕上げ材別の注意点と4つに分けて見てきました。

注意点に気を付けながら、リフォーム担当者と相談してよいリフォームを実現させてください。

マンションのフローリングリフォーム
マンションのフローリングリフォーム

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マンションのフローリングリフォームに関するよくある質問

マンションのフローリングリフォームで注意する点はなんですか?
床材に注意が必要です。マンションの「管理規約」や「細則」によって、床面に使用するフローリング材の遮音等級の制限を設けることが一般的となっています。遮音性の床材を選びましょう。
マンションの床をリフォームする方法は何がありますか?
大きく分けて、「直床(じかゆか)工法」と「二重床工法」・「重ね張り工法」の3つがあります。それぞれメリット・デメリットがあるので注意が必要です。

    

マンションの床材の種類は何がありますか?
フローリング、クッションフロア、カーペット、タイルカーペットなど様々な床材の種類があります。暮らし方に合わせた床材を選ぶことが重要です。
こちらの記事を参考にしてみてください。
>>「床のリフォームで検討するべき床材はどれ?それぞれのメリット・デメリットを紹介」


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