アパートのリフォームをする際にはここに注意! リフォームのポイントと費用の相場について解説!
新築時は住みやすかったアパートも、築年数が経つごとにさまざまな箇所が劣化してくると、自然に住み心地は低下してきます。住宅設備機器の故障や劣化、機能不足、内装の劣化による見た目の低下などは時間が経つにつれて進んでいきますから、いいタイミングを見計らってリフォームで対応したいもの。
アパートの一室を全体的にリフォームするとなると、検討しなければいけない項目がたくさんあります。今回は、アパートのリフォームを検討する際のポイントとリフォーム費用の相場について解説します。
アパートのリフォームで検討したい項目は?
築年数が経ったアパートをリフォームする場合は、今不満を感じている箇所を中心に予算とのバランスを見ながら項目を検討していくことが重要です。
・内装
もっとも低い予算でリフォームできるのが内装です。壁紙や床のフローリングの張り替え、畳の交換、ドアや巾木・長押・窓枠等の塗装といった内容の工事が中心です。
・住宅設備機器
キッチンや洗面化粧台、浴室、トイレといった水まわり設備を交換するのはアパートのリフォームの中でもっとも多い工事です。設備機器だけを交換するパターンと、設備機器の交換に内装工事を追加するパターンの2つに大別されます。
・共有部分や外装
築年数が経ったアパートは外まわりも傷んでいる箇所が多いです。外壁や屋根、階段、廊下などの補修や、各部屋の玄関ドアや玄関鍵の交換、窓枠の塗装といった工事が加わる場合もあります。共有部分の照明器具の交換や、オートロック設備の導入、駐輪場の改修といった工事が必要なケースもあるでしょう。
アパートのリフォーム費用の相場は?
アパートのリフォームで検討すべき項目がつかめたところで、次に気になるのは費用ですね。先ほど挙げたリフォーム項目の費用の相場はどれくらいなのか、それぞれ見ていきましょう。
・内装
壁紙はグレードによって費用が上下します。スタンダードのグレードの壁紙だと1㎡あたり1,000~1,200円、ハイグレードの壁紙だと1㎡あたり1,500~1,800円が相場です。同じグレードであれば無地であっても柄であっても単価は同じですから、他のアパートと差別化したいのであればアクセントクロスのようなプランを選んでもいいでしょう。
フローリングも壁紙と同じくグレードがありますが、施工方法によっても費用が上下します。既存のフローリングに新しいフローリングを重ね張りする場合は1㎡あたり8,000~10,000円、既存のフローリングをはがして新しいフローリングを張る場合は1㎡あたり12,000~14,000円が相場です。既存のフローリングの状態、新しいフローリングのグレードと施工方法の組み合わせによって同じ施工面積でも費用が変わってきますので、予算との兼ね合いを見ながら決めましょう。
畳は、畳表だけを変える場合と畳そのものを交換する場合とで費用が異なります。畳表だけを変える場合は1畳あたりの相場は8,000円前後です。
・住宅設備機器
内装と同じく、住宅設備機器もグレードによってリフォーム費用が変わってきます。
キッチンは、既存のキッチンを撤去した後に設置するキッチンのタイプをまず決めます。人気の高いシステムキッチンなら50万円~がキッチンのリフォーム費用の相場となります。食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーターといった人気の設備機器を追加すると、費用も高くなります。
洗面化粧台の交換は15~25万円、トイレの交換は10~30万円程度が費用の相場です。洗面化粧台はシャワー水栓や鏡のくもり止めヒーターを追加する、トイレはオート開閉やエコ洗浄タイプを選ぶといった場合は費用が上がります。
浴室は住宅設備機器のリフォームの中ではもっともコストと時間がかかる工事です。浴槽や水栓の交換、タイルの補修程度であれば20~40万円前後に抑えられます。しかし浴室全体を撤去してユニットバスを設置するとなると、壁や床の下地調整からしなければいけませんから、80~100万円前後かかると見ておきましょう。
・共有部分や外装
もっとも多い外装塗装のリフォーム工事の相場は、アパート全体の大きさにもよりますが100~250万円前後です。塗料のグレードや足場の設置面積によって上下します。廊下の手すりや窓枠の塗装、玄関ドアや鍵の交換などは部分補修の種類に入りますから、10~30万円前後でできるケースが多いです。オートロック設備の導入や駐輪場の改修は、アパート本体や敷地の規模によって費用が大きく異なります。リフォームしたい内容に合わせて見積をとるようにしましょう。
アパートのリフォームを進める際のポイントは?
アパートリフォームをするにあたって、費用面から押さえておきたいポイントがあります。
まずは費用対効果をしっかり考慮するという点です。築年数が経ったアパートはリフォームしたい箇所が次々と出てきますが、かといってフルリフォームをするとなるとかなりの予算が必要です。劣化が激しく生活のためにはすぐ対応しなければいけない箇所と、まだ使えそうな箇所や補修程度で交換までは必要ない箇所とを見極めて、リフォームする範囲を決めていくことが大切です。
また、施工内容が同じでも、商品のグレードによってリフォーム工事の費用が大きく変わるということも頭に入れておきたいポイント。たとえばトイレの交換をする場合、施工にかかる手間は同じですから施工費は当然同じですが、トイレ本体のグレードによってかかる費用に差が出てきます。
これはどの工事にも言えることですが、特に住宅設備機器の分野で大きい差となります。多機能であることが便利とは限りませんから、本当に必要な機能なのかをよく検討してグレードを決めましょう。
工事のボリュームについてもしっかり考えておきたいですね。アパート全体をフルリフォームするとなると、施工にかかる費用だけでなくそれに付随する費用、たとえば足場代や養生費といったものが別途かかってきます。こうした費用はけして少なくありませんから、リフォームが必要な箇所の優先順位をまとめておいて、一度で行うのか数回に分けて行うのかといった点も検討することをおすすめします。
さらに、アパートに限らずリフォーム全般に言えることとして大切なのが、工事見積を複数の施工会社からとって比較検討することです。たとえば「知り合いに施工会社がいるから他社と相見積もりしにくい」といった声は少なくありませんが、1社の見積内容だけで決めていくと比較対象がありませんから相場がつかみにくく、コストダウンをしたくても進めにくいです。
同じリフォーム内容でも、施工会社によって施工方法や商品の割引率などの違いから総額に差が出ることは珍しくありません。アパートのリフォームは工事範囲によってはかなり高額になる工事です。2~3社の施工会社に同じ内容の見積を依頼して、費用はもちろん施工内容や商品のグレードなどをしっかり比較してみましょう。おおよその費用の相場がつかめるだけでなく、それぞれの施工会社の特徴が分かるので工事を依頼する決め手が見つかりやすくなりますよ。
大きな費用をかけて行うアパートのリフォーム。「こんなはずではなかった」ということにならないように、費用の相場をつかんだ上で施工会社と交渉し納得できる費用でリフォームを実現させてくださいね。