砂壁をリフォームするには?方法や費用について解説
深い緑や黄土色など、和室によく使われている砂壁はなんとも落ち着いた雰囲気を醸し出します。しかし時間が経つと少しずつ表面の砂が取れてしまうのがデメリット。築数十年の家ともなれば手で触れなくともポロポロと床に落ちてしまい掃除が大変です。砂が剥がれると見た目も劣化していくため、いかにも古臭い印象になってしまいます。この機会に砂壁をリフォームして部屋の雰囲気を一変させてみませんか?
今回は砂壁をリフォームする方法としてどのようなものがあるのか、また費用はどのくらいかかるのかなどについて紹介します。
砂壁リフォームの種類と費用
リフォームといってもその方法は1つではありません。そこでまずは一般的なリフォーム方法とかかる費用をチェックしておきましょう。
砂壁の上から塗装する
砂壁リフォームの中でも一番イメージしやすい方法なのではないでしょうか。既存の壁の上にペンキなどの塗料を塗るだけと簡単なリフォームです。
DIYでリフォームすることもできるため、腕に自信のある方であれば挑戦してみるのも良いでしょう。詳しいやり方については後述します。
自分でリフォームした場合の費用は1万円~3万円ほど。業者に依頼する場合でも10万円以内と比較的安価に収まります。
壁紙を貼る
塗装ではなく、複雑なデザインを施した壁紙でオシャレに仕上げたいという方もいるでしょう。
砂壁の表面はザラザラとしているため直接壁紙を貼ることはできませんが、壁紙を貼る方法がないわけではありません。具体的には砂壁を固めてその上に貼る方法、ベニヤ板を貼ってその上に壁紙を貼る方法の2つです。
当然ペンキを塗るより手間がかかるため、依頼した際の費用は10万円~15万円ほどと塗装よりも高くなります。
漆喰を塗る
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冒頭でも述べた通り砂壁は和室に塗られていることが多いはずです。それならば塗装や壁紙を貼るのではなく、漆喰を塗ってみようかと考える方もいるでしょう。
漆喰はホコリがつきにくくメンテナンスがとても楽です。その分費用は高く、20万円ほどと高くつくこともあります。とはいえ漆喰は時間が経っても劣化しにくいという点が魅力。リフォーム工事の費用だけを比べれば高く感じますが、長期的に考えると得になる可能性が高いです。
DIYでリフォームする方法
先ほども説明した通り、塗装をするくらいであれば素人でも砂壁のリフォームが可能です。具体的にどう進めていくのかご説明します。
DIYで砂壁の塗装を行う方法
塗料選び
ペンキは大きく油性ペンキと水性ペンキの2種類に分類できます。特徴としては絵の具と同じで、油性のペンキは専用の薄め液で希釈するもの、水性のペンキは水で薄められるものです。
砂壁のリフォームではどちらを選ぶかという問題ですが、答えはズバリ水性のペンキです。
油性のペンキは臭いが強く出るため、室内の壁に使用してしまうとこの臭いに悩まされる可能性があります。もちろんデメリットばかりではなく、耐久性がある、防水効果があるというメリットがあるのですが、屋根で守られている室内ではあまりメリットになりません。
水性ペンキは油性ペンキに比べると耐久力がやや劣りますが、それはあくまで油性ペンキと比べた場合。しっかりと乾燥させればボロボロと剥がれるような心配はありません。価格が安くて素人にも使いやすいのが水性ペンキの魅力。室内の壁リフォームでわざわざ油性を選ぶ意味はないので間違って買わないように気を付けましょう。
下準備
まずは砂壁の表面に付着した砂を軽く払いましょう。作業中に砂が剥がれると塗りづらくなります。とはいえ無理にガリガリ削る必要はありません。ほうきで軽く払うくらいで十分です。
養生
日常生活では聞きなれない言葉ですが、要は塗る面と関係ない場所にペンキがはみ出ないようにする工程です。マスキングテープを天井や床など、はみ出てしまいそうな場所に貼ります。
養生は地味な作業ではありますが、完成した時の見栄えを大きく左右する作業です。雑に済ませず慎重に行いましょう。また養生に使うテープは必ず専用のテープを使いましょう。ガムテープなどで代用すると上手く剥がれなかったり跡が残ったりしてしまいます。
下塗り
DIYの経験がない方はご存知ないかもしれませんが、塗料を塗る前には基本的に下塗りという工程を挟みます。これは塗装面と塗料の吸着を良くするためのもの。下塗りをしなければいくら良い塗料を塗っても剥がれやすくなってしまいます。また、塗装面が塗料を吸い込むのを防ぐ働きもあります。特に砂壁は水分を良く吸うため、下塗りをせず塗料を塗ろうとするといつまで経っても塗料がなじまないということになりかねません。仕上がりも不格好になるため、下塗りも必ず行ってください。
下塗りの時に塗る液体を下塗り剤と呼びますが、これはホームセンターなどでシーラー、もしくはプライマーという名称で販売されています。名称が違うだけで同じものですのでどちらを選んでも構いません。
塗装
下塗りが完全に乾いてようやく塗装に移れます。コツとしては何度か重ね塗りをする前提で塗ること。1度の塗装ではほぼ間違いなくムラが残ります。重ね塗りをすることで徐々にムラが目立たなくなっていくため、あまり神経質にならないことが大事です。重ね塗りをする場合も下塗りをした時と同様、完全に乾いてから行いましょう。
ペンキを塗るよりも難易度は上がりますが、ここで代わりに漆喰を塗ることも可能です。半練りタイプと呼ばれるすでに練られた漆喰であればそのまま塗ることができますが、粉状のタイプは自分で水と練り合わせていく必要があります。乾いてくると硬くなってしまうので、この場合はその都度水を少し加えましょう。
壁紙を貼る場合
自分で壁紙を貼ることも不可能ではありません。DIYで壁紙を貼るならベニヤ板を貼る方法が良いでしょう。この方法なら砂壁の状態に関係なくリフォームできます。
方法としてはまず塗装の工程を始める前に釘やガンタッカーでベニヤ板を壁に固定。その後養生をして壁紙を貼り付けます。ただし電気配線など壁の裏に何かある可能性もゼロではないため、やはり壁紙を貼る場合はリフォーム業者に相談することをおすすめします。
修繕という選択も
時間が経つとポロポロ剥がれてしまう砂壁ですが、デメリットばかりではありません。メリットを知れば他の壁にリフォームするのではなく、修繕という選択肢も浮かんでくるでしょう。
それでは砂壁のメリットをいくつかご紹介します。
調湿効果がある
砂壁は部屋の湿度が高い時に湿気を吸収、低い時には放出してくれます。これにより室内は激しく湿度が変化せずに済むのです。湿度が高くなりすぎるとカビが発生しやすいのはあなたもご存知の通り。壁を砂壁にしておくのはカビ対策になります。
有害物質を吸収する
シックハウス症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは家を構成する建材から出る有害物質が引き起こす病気のことを指します。
砂壁はこのような有害物質を吸収する働きがあるためシックハウス症候群の予防につながります。
耐火性がある
砂壁という名前の通り、その材料は土や砂です。これらの建材は燃えにくいため耐火性が高くなります。砂壁にしておくことで万が一の事態に陥った際、被害を少なく抑えられるかもしれません。
以上のように、砂壁にもいくつかのメリットがあることをお分かりいただけたでしょうか?必要に応じてリフォームを検討してみてください。