戸建住宅を住みやすくしたい!リノベーションにかかる費用と安く抑えるための工夫について解説!
さまざまなこだわりを持って建てた戸建住宅も、築年数が経ってくると老朽化が気になり始めます。こまめにメンテナンスしていても、20年30年経ってくると間取りや住宅設備や内装といったハードが使いづらくなってきますが、それはライフスタイルや価値観といったソフトの変化も影響しているのです。
大切な資産である戸建住宅を住みやすい環境に一気に変えられる方法がリノベーション。そろそろうちも時期かな…と考えはじめた時に気になることのひとつが費用でしょう。そこで今回は、戸建住宅をリノベーションをする際にかかる費用の目安と、費用を抑える工夫について紹介します。
リノベーションをするメリットは何?
基礎や柱といった重要な構造体だけを残し、それ以外の部分をすべて解体して一から作り直していくのがリノベーションです。部分的な補修や交換を行うリフォームと比べて、リノベーションを選択するメリットには主に次の3つがあります。
1.現在のライフスタイルや家族構成に合わせた住宅になる
新築で建てる時は、間取りや住宅設備などにこだわりいろいろ検討しながら設計していきます。それでも家族は年々歳を重ね、子供が生まれたり親と同居したりといった変化が必ず出てくるので、少しずつ新築時の状態が使いづらくなってきます。
また、夫婦とも共働きになったり子供が進学して親とは違う時間を過ごすようになったりといったライフスタイルの変化に伴って、求める暮らしやすさも変わっていきます。
変化してきた家族に再びフィットする間取りや住宅設備や内装の住宅を、一から作り直せるのがリノベーションのよさです。
2.新しい機能を導入できる
新築時には当然その時の最新の機能を取り入れた設計になっているはずですが、それから20年30年と経ってくると機器の劣化に加えて機能が古いと感じるようになるものです。住宅設備の操作に時間がかかったり汚れが取れにくかったり、収納のレイアウトに自由度がなくデッドスペースがたくさんできたりしているケースは少なくありません。
リノベーションをすると、住宅機器や内装、収納の部材などは最新のタイプを選択できますから、サイズや位置を変えなくても使い勝手がぐんとアップすることが多いです。
3.現在の不満を解消できる
壁紙のカビや汚れが気になる、玄関からキッチンまでが遠い、リビングが暗い…住んでいるとさまざまな不満が出てくるものです。部分的にリフォームで補修する方法もありますが、リフォームだと新しくした部分と手を付けなかった既存部分との差が気になって逆に不満が大きくなるというケースも珍しくありません。
構造体を残して室内部分はすべて作り替えるリノベーションの場合は、こうした新旧の差が出ませんし、今抱えている不満点を一気に解消できます。リフォームより費用はかかりますが、満足度も高くなるのです。
リノベーションの費用の相場はどれくらい?
さまざまなメリットがあるリノベーションですが、工事範囲が広いだけに費用が気になるところですね。実際にどれくらいかかるのか、費用の目安が事前に分かっていると資金計画も立てやすくなります。
リノベーション工事は、「内装のみ」と「内外装まとめて」という2種類の工事に大別できます。内装のみのリノベーションは、屋根や基礎、外壁などは残して室内部分だけを解体し間取りから作り直していく工事です。住宅全体の床面積によって費用は違いますが、20坪前後の住宅だと約700万円~、50坪前後の住宅だと約1800万円~かかると考えておくといいでしょう。
内外装まとめて行うリノベーションは、基礎と隅柱だけ残し屋根や外壁も含めて住宅全体を解体し作り直す工事です。20坪前後の住宅で1000万円~、50坪前後の住宅で2500万円~が相場です。
もちろん、住宅設備や内装材のグレード、造作工事の量などによって上下しますので、目安としてとらえてください。
リノベーションの費用を抑えるために考えたい工夫点とは?
リノベーションは、住宅の大半を解体して作り直す工事なので、内容によっては建て替えとほぼ変わらない費用がかかることも少なくありません。リノベーションに貯蓄の大半をはたいてしまい、その後の生活が厳しくなるようでは本末転倒ですから、リノベーションにかける費用は上手に抑えたいものです。
・住宅ローン減税を活用する
リノベーションにかかる費用を、住宅ローンや返済期間が10年以上のリフォームローンで支払っていくのなら、住宅ローン減税を受けられます。年末時点のローン残高の1%分の所得税や住民税が減税されるという制度で、最大10年間利用できます。
リノベーションは高額の費用をかけて行うケースが多いため、住宅ローンやリフォームローンを組んで減税措置を受けるのは賢い方法と言えます。
・補助金を受ける
住宅全体が工事対象となるリノベーションでは、工事内容によって自治体が制定している補助金を受けることができます。
たとえば断熱材やペアガラス、家庭用蓄電システムなどを導入する工事を行う場合は断熱工事の補助金が、ホームインスペクション(住宅診断)を受けた上で耐震補強や省エネ・バリアフリーなどを目的とした工事を行う場合は長期優良住宅化のための補助金が受けられます。
費用の一部だけでもこうした補助金を活用して賄うことで、全体の出費金額を結果的に抑えることができるのです。
・数社の施工会社に見積を取る
リノベーションは住宅そのものを作り直す大掛かりな工事ですから、必要な工事内容や施工方法などは施工会社によって判断が異なります。たとえば大きな収納スペースをつくるのに、オーダー製作で対応しようとするか既製の収納システムの組み合わせで作っていくか施工会社によって判断が変わるといったことはリノベーションではよくあります。
1社の提案だけを聞いたのでは、それがベストな間取りでベストな見積り金額なのか検討しようがありません。2~3社に見積依頼をして現場調査をしてもらい、納得がいくまで提案内容や見積金額をしっかり検討しましょう。
・費用をかける箇所にメリハリをつける
リノベーションを検討し始めると、さまざまな部分でグレードが高いものを選びたいと考えがちです。しかし多くの機能があっても使いこなせない、収納スペースをあちこちに作ったものの一つずつが狭くて大きな物が入らないといったことが起きたのでは、せっかく費用をかけても意味がありません。
何のためにリノベーションをするのかをよく考えて、「来客が多いからLDKの内装にはお金をかけるけれど個室はシンプルでいい」「浴室の浴槽はランニングコストの安い保温タイプにしてそれ以外の仕様は標準仕様で」など、費用をかけるところとかけないところとでメリハリをつけるといいでしょう。
現在のライフスタイルや家族構成に合う住宅を手にするために行うリノベーションは、要望をたっぷり取り入れられる方法であるものの、費用がかさみやすくなるものです。どれくらいの費用なら出せるのかを事前にしっかり検討しましょう。また、解体後に構造体が予想以上に傷んでいたなどイレギュラーな追加工事が発生する可能性がありますので、万が一こうした状況が起きても対応できるよう、少しし余裕を持って資金計画を立てておくことをおすすめします。