トイレの壁紙をリフォームする場合のポイントは?費用の相場や壁紙の選び方について解説!
毎日家族全員が使う場所であり、湿気や汚れが発生しやすい“トイレ”。壁紙の劣化も比較的早い場所ですよね。「そろそろ張替えの時期かな?」と、壁紙のリフォームを検討しはじめたものの、どう決めたらいいか分からないという声をよく聞きます。
最近はリラックスできる空間として、トイレの内装にこだわる人が増えてきました。実は壁紙の選び方を少し工夫するだけで、トイレ全体の雰囲気を大きく変えることができます。そこで今回は、張替え工事の費用相場やトイレの壁紙を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
トイレは共用部分だからこそおしゃれにしたい!
トイレは毎日、家族全員が使う場所であると同時に、来客も使う場所です。つまりプライベートな空間というイメージが強いですが、実際にはパブリックな要素もあるいわば共用部分と言えます。
来客がトイレの内装から受ける印象は、その家全体のセンスの良し悪しや清潔感などを無意識に判断する要素のひとつと言われています。
リビングダイニングや玄関の内装はどの家でもそれなりに気を使っていますから大きな差は出ません。それだけに、トイレの内装にこだわりを感じる部分があると「おしゃれだな」と感じるんですね。
トイレはリビングダイニングや寝室のように広さがないため、どんな壁紙を選ぶかで雰囲気が大きく変わります。そして広さがないだけに、リビングダイニングや寝室ではチャレンジしにくい内装に挑戦できる場所でもあります。
単に傷んだ壁紙をきれいにするというだけでなく、雰囲気の変化を楽しむという目的も兼ねてトイレの壁紙を選ぶのがおすすめですよ。
トイレの壁紙張替え工事の費用相場は?
壁紙の張替えをリフォームで行う場合、まずは今の壁紙をはがすという作業が発生します。壁紙をはがすと壁下地に凹凸が出ますので、仕上がりを美しくするために下地の調整を行い、その後新しい壁紙を張っていきます。これらの作業にかかる費用は、施工費として工事費用に加算されます。壁紙を張替えるのに大型家具を移動させる作業が必要なら、家具移動費が加算されることもあります。
一般的な住宅のトイレは、1畳前後の床面積があります。この広さのトイレの壁紙を4面すべて張替えた場合、壁紙本体と施工費を合わせて3~5万円前後というのが工事費用の相場です。ただし壁紙にはグレードがあって価格帯が異なりますから、選ぶ壁紙のグレードによって工事費用は上下します。
標準的な壁紙であれば、1㎡あたり1,000~1,500円です。
壁紙の種類にはどんなものがあるの?
壁紙の素材には、ビニール製や紙製、布製などいくつかあります。汚れや臭いが発生しやすいトイレは、リビングダイニングや寝室といった居室とは違ってお手入れのしやすさや耐久性の高さが求められます。
天然素材を使っている紙製や布製は汚れがしみこみやすく、臭いを吸着する機能がありません。また湿気にも弱いので、トイレの内装用として使うことはほとんどありません。お手入れがしやすく長持ちするという点を考えると、ビニール製が適していると言えるでしょう。
色については基本的には好みのものを選んでOKです。ただしトイレは他の居室に比べて床面積が狭い場所ですから、濃いめの色を全面に張るとより狭く感じてしまう可能性があります。薄めの色をベースに選ぶといいでしょう。
色と同じく、トイレ全体の雰囲気を大きく左右するのが壁紙の柄です。無地のみにする、柄のみにする、無地と柄を組み合わせるなどさまざまな選び方があります。かわいらしい雰囲気にしたい場合は花柄やチェック柄、スタイリッシュな雰囲気にしたい場合は幾何学柄、ナチュラルな雰囲気にしたい場合は木材を模した柄など、好みに合わせて選びましょう。
トイレに適した壁紙の機能とは?
昔はトイレというと、用を足すためだけのスペースとして暗く狭くつくられる場所でした。しかし現代では、明るくてリラックスできるという点を重視する傾向にあります。長居する場所ではなくても、用を足すという目的のために使う場所としてリラックスできるというのは重要なポイントです。
リラックス感を高めるために欠かせないのは清潔さ。清潔な環境を維持するには、一般の壁紙よりも清掃性や抗菌性にすぐれた壁紙を選ぶのがおすすめです。
まず検討したいのは抗菌機能です。トイレは家族や来客が頻繁に使う場所で、しかも水を使うため、雑菌が繁殖しやすい条件がそろっています。抗菌剤が塗布されている壁紙を張ることで、トイレ内に雑菌が繁殖するのを抑えてくれます。雑菌はいやな臭いのものでもあるので、防臭にもつながるのがうれしいですね。
次に検討したいのは防汚機能。トイレ内は一見きれいに見えてもじつは汚れがあちこちに広がっていることが多い場所です。特に便器の左右の壁面は汚れが飛び散りやすいです。壁紙の表面がコーティングされているタイプは防汚機能をもっていますから、トイレ内のさまざまな汚れが壁紙の奥にしみこむのを防ぎます。軽く表面を水拭きするだけなので、小さなお子さんや介護中のお年寄りがいる場合は特に取り入れたい機能でしょう。
その他に便利な機能としては防カビ機能があります。24時間換気をしていても、水を使う以上トイレには湿気がたまりやすいです。特に手洗いタンクの裏や手洗いボウルの周辺、タオル掛けにかけたタオルの裏側、便器の奥といった壁面は、空気が流れにくいこともあってカビが生えやすい場所です。トイレ全体に防カビ機能のある壁紙を張っておくと、カビの発生そのものを抑えることができて清潔な環境をキープできますよ。
消臭機能もあると便利な機能でしょう。トイレ内に発生する臭いの原因はアンモニアや硫化水素といった成分ですが、これらを光触媒や天然鉱石を練り込んだ壁紙が吸収し、分解することで常にきれいな空気を維持できます。築年数が経っていて換気扇がなく、窓があっても小さくてあまり風が入りづらいトイレには特に有効です。
こうした機能がついた壁紙は、無地だけでなく柄のタイプもあってかなり選択肢が増えています。好みの色や柄を選んで、おしゃれな内装のトイレにリフォームすることも可能です。
おしゃれなトイレ空間になる壁紙の選び方とは?
小さな空間だけに、壁紙を張り替えるだけで劇的に雰囲気を変えることができるトイレ。ぐんとおしゃれにグレードアップするためのコツを2つご紹介しましょう。
まずご紹介したいのは、アクセントクロスという方法を取り入れることです。アクセントクロスとは、空間の4つの壁面のうちの1面だけ他の壁面と異なる壁紙を張るインテリア手法です。
すべて無地の壁紙を選んで1面だけ違う色の壁紙にする方法や、無地の壁紙をベースとして1面だけ柄の壁紙を張るという方法、壁の1面と天井面を他と違う壁紙にする方法などがあります。
全面を同じ壁紙にするよりも立体感が出やすく、錯覚によって実際の面積より広く見えたり天井が高く見えたりする効果があります。住宅のトイレに採用する便器のほとんどはホワイト系カラーなので、壁紙に色や柄を入れることでおしゃれさを加えるという意味もあります。
もう一つのコツは、ひとつの壁面に複数の壁紙を張って個性を出すという方法です。アクセントクロスがひとつの壁面に同じ壁紙を張るのに対して、この方法は床から90~100㎝前後の高さを軸に上下で異なる壁紙を張ります。ジョイント部分はモールと呼ばれる部材で押さえるので、壁紙の端がはがれてくることはありません。
モールをはさんで無地と柄を合わせたり、無地で違う色を合わせたりすることで、全面を〃壁紙にするよりは個性的な内装になります。アクセントクロスよりは控えめに、けれどおしゃれさは加えたいという場合はおすすめですよ。
毎日頻繁に使うからこそ、好みの内装にして楽しく使いたいもの。トイレの壁紙を張り替えるなら、機能やデザインなどに少し工夫を加えながら壁紙を選んでみてはいかがでしょうか。