お得にリノベーションがしたい!活用できる減税制度と補助制度はなに?
リノベーション工事に掛かる費用について減税制度や補助制度があることを、皆さんはご存知ですか?
断熱工事や耐震工事・バリアフリー工事・省エネ設備を導入する工事など掛かる費用のうち、国や県、市や自治体などが補助してくれる仕組みがあるのです。「性能が高まるリノベーションをしたいけど費用が心配だから補助を受けたい…」とお悩みの方も減税制度や 補助制度を上手に使えば負担を減らすことができます。
この記事では、リノベーションの減税制度と補助制度についてご紹介したいと思います。
1.減税制度に関してのまとめ
リノベーション減税は文字の通り、本来支払うべき税金が、『特定の条件を満たすリノベーション工事を行い、それを申請する事で減免される』という仕組みの制度です。確定申告時に申請する事で適用となる部分の所得税が控除となるので、覚えておくべき事項と言えるでしょう。
減税制度には「住宅ローン減税」・「省エネリフォームローン型減税」・「投資型減税」の3種類があり、共通の住宅要件として契約者が建物の所有者である事、工事後の床面積が50㎡以上である事、それぞれの減税制度に応じた工事金額または契約金額が必要額を上回る事などがあります。それぞれ個別の要件があるので、確認しながら進めていく事がポイントになります。
1-1.住宅ローン減税
住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。
毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうち、どちらか少額の方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます(住宅の取得対価の計算では、すまい給付金の額は控除されます)。また、所得税からは控除しきれない際は、住民税からも一部控除されることになります。
1-2.ローン減税
ローン減税制度とは、自ら所有し居住する住宅の省エネ改修工事を行ったときに使える制度です。
決められている要件を満たす省エネ改修工事を行った場合、年末ローン残高を上限に、性能向上リフォーム費用の2%及び年末ローン残高の1%が5年間所得税額から控除される事になっています。住宅ローン同様の借入金で省エネ改修工事を行った方が受けられる控除という点もポイントになっています。
1-3.投資型減税
投資型減税制度とは、上記のような住宅ローン・リフォームローンを利用しなくても所得税の控除を受けられる制度です。(5年未満のローンでのリフォームについてもこちらの投資型減税が対象となります。)
耐震・バリアフリー・同居対応リフォーム・省エネ・長期優良住宅化などの「住宅要件」と「工事内容」を満たしていれば該当工事費用(国で定められた価格)の10%×1年分を20~50万円の最大控除額の中で減税することが出来ます。(最大控除額は適用する工事内容によって、変動します。)
2.補助制度に関してのまとめ
リノベーションの補助金は工事に掛かる総費用のうち、特定の条件を満たす一部の金額を国・県・市町村などが補助(支給)してくれるものなので、補助金の返済をする必要がない点も大きな魅力のひとつ。しかし、リノベーション費用の一部に国が求める基準を満たした、省エネや耐震、バリアフリーなどのリノベーション工事を行う事が、補助金制度を利用する上では必要条件として挙げられます。
地方自治体としてみてもかなりの種類があると言われる“リノベーション補助金”。宮城県仙台市の補助制度を例に挙げ、より詳しくご紹介していきます。
2-1.仙台市熱エネルギー有効活用支援補助金(仙台市)
熱エネルギーを有効活用することにより平常時の低炭素化を推進するとともに、気候変動への適応力向上を推進する事、窓断熱改修または熱エネルギーを有効活用する事を目的としてシステムの導入を支援する仕組みが、こちらの制度です。
窓断熱改修(外窓交換・内窓設置・ガラス交換など)は1箇所あたり2,000~20,000円で1棟あたり最大100,000円の補助を受けることが可能です。自分の家で電気をつくり、お湯も同時につくり出す家庭用燃料電池「エネファーム」の導入については1台あたり130,000円の補助で1棟最大260,000円(2台分)。また、太陽熱利用システム等も該当になります。
窓断熱改修のサイズ参考
◎内窓設置・外窓交換(1か所あたり)※熱還流率2.33以下
・2.8㎡以上 :(大)20,000円/箇所
・1.6㎡以上2.8㎡未満:(中)14,000円/箇所
・0.2㎡以上1.6㎡未満:(小)8,000円/箇所
◎内窓設置・外窓交換(1か所あたり)※熱還流率3.49以下
・2.8㎡以上 :(大)18,000円/箇所
・1.6㎡以上2.8㎡未満:(中)12,000円/箇所
・0.2㎡以上1.6㎡未満:(小)7,000円/箇所
◎ガラス交換(1枚あたり)
・1.4㎡以上:(大)7,000円/枚
・0.8㎡以上1.4㎡未満:(中)4,000円/枚
・0.2㎡以上0.8㎡未満:(小)2,000円/枚
※熱還流率とはサッシ本体の断熱性能を示すもの。数値が低ければ低いほど、断熱性能が高くなります。
2-2.スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金(宮城県)
スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金制度は、宮城県の「みやぎ環境税」を原資として、家庭における二酸化炭素排出量の一層の削減や災害時にも電気や熱を確保できる住まい(スマートエネルギー住宅)の普及を図るため、補助対象設備等の導入又は施工に対して、その費用の一部を補助する制度です。
既存住宅省エネルギー改修(既存住宅における窓等の開口部・天井・屋根・壁及び床の断熱改修工事のうち、次世代省エ ネルギー基準※平成11年基準を満たすもの )については改修部位・範囲により2,000~100,000円の補助を受ける事が可能です。家庭用燃料電池(エネファーム)についても仙台市熱エネルギー有効活用支援補助金と同じく補助対象とはなりますが、補助額は1台120,000円となっています。
3.減税制度・補助制度を利用して賢くお得にリノベーション!
リノベーションの補助制度や減税制度については、条件が複雑で分かりづらい部分も多かったのではないでしょうか。リフォーム専門店では、条件の確認から適用内容・受けられる控除額・補助額までお客様に寄り添いながら説明してくれる会社も増えてきているようです。
リノベーションで快適な住まいを目指すために欠かせない、断熱性や耐震性など大事なところを妥協しないためにも、ぜひ活用できる制度は活用していくといいでしょう。
リノベーションの費用(減税制度・補助制度)に関わるよくある質問
- リノベーションで使える減税制度とは?
- 減税制度には「住宅ローン減税」や「省エネリフォームローン型減税」や「投資型減税」の3種類があります。それぞれ減税制度に応じた要件があるので、事前に確認しておくようにしましょう。
- リノベーションで使える補助制度とは?
- 国・県・市町村で異なります。宮城県仙台市の場合だと、仙台市熱エネルギー有効活用支援補助金等が一例として挙げられます。
- 減税制度と補助制度の違いとは?
- 減税制度は、本来支払うべき税金が特定の条件を満たすリノベーション工事を行い、申請をする事で減免される制度です。一方補助制度は、特定の条件を満たす一部の金額を国・県・市町村などが補助(支給)してくれる制度です。